バケツをひっくり返したような

Postale のオープニングが終わってるくらいの時系列での小話

#雨という言葉を使わずに雨を一人一個表現する物書きは見たらやる のタグに参加して書いた小話でした。


 

「うわっ!馬鹿かあんたは!」

窓際にいたシノブが突然大声を出したからつられてそっちを見る。窓の外にいたのは私達に手を振るシャオだった。髪の先までぐっしょり濡れたまま、シノブが慌てるのを見てにこにこ笑っていた。

「おや、シャオは入ってこないんだね」

声がして振り返るとイアンが厨房から戻ってきた所だった。

「気にしなくて良いのに。じゃあはい」

ぽん、とタオルを渡される。

「ついでに、飲み物なにがいいか聞いてあげて」

 

 

 

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